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P 3702 科研費 武田 宏

1998-2001

介護保障システムの運営と財源についての国際比較研究:ヨーロッパ諸国とわが国の比較

1.本研究では介護保障システムの再編成についての制度・政策的解明をすることを目的にしていた。

2.国際比較研究の枠組みとして想定したものは主として下記の5点であった。
(1)利用者のニーズにみあった介護福祉サービス・システム
(2)ケアマネジメントを含む良質なサービス供給組織、
(3)介護関連従事者養成・研修システム、
(4)利用者の権利救済機関、
(5)以上を可能にする運営システムを構築するような行財政制度

3.以上を踏まえて、ヨーロッパ諸国の動向との関連で日本の高齢者介護システムと財源のあり方を比較検討した。わが国介護保険は、介護費用財源の半分以上を租税(公費)を組み入れる形式を取っており、いわば、社会保険方式と租税方式の両者の折衷型ともいえる。

本研究では、とりわけスウェーデンの介護保障システムとドイツの調査研究に重点をおいたが、それには次の理由がある。すなわち、スウェーデンはホームヘルプ利用者数などのサービス供給量や24時間巡回型ケア、痴呆老人のグループ住宅建設など、介護保障の質的水準を確保した。しかし、1990年代の経済危機のなかで、分権化・民営化などの代替的供給形態を採用し、他方でケアマネジャー養成システムを高等教育として整備するなど、サービスの質を低下させずに、介護サービスの効果的実施や供給組織の効率化をはかろうとしているためである。

他方、ドイツでは1994年公的介護保険制度が発足し、実施に移された。しかし様々な課題が発生してきている。今後の介護保障システムの運営と財源を理論的に検討するには、ドイツ介護保険制度の進捗状況を実証的に分析し、制度的課題を摘出することが重要な意義を持つ。本研究では、各国の歴史的な行財政制度の発展と変容を理論的に把握することを前提としつつ、福祉行政、福祉民営化の状況、対象者の権利擁護および侵害に対する救済機関の現状と問題点、各種介護保障サービス提供者への行政指導監査のあり方、等を調査研究した。
by jpflege | 2010-02-11 17:17 | 405 Pflege V.
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