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P 3522 Der rasante Abstieg des Westens

SF 2010.01.29

【何故、スイスか?】
Abstieg 下降  ←→ Aufstieg 上昇
rasant すごい ひどい

タイトルを意訳すると:
西洋の勢力の急激な弱化」といったところか。

SFは
Schweizer
Fernsehen
つまり「スイステレビ」です。

スイスには、NZZ ノイエ・チューリッヒヤー・ツアィトング という有名な新聞オンラインがありますが
テレビではこのSFが代表的なものです。

現在、スイスのダボスで世界経済フォーラムWEFが開かれている関係で
NZZやSFには、ダボス会議の模様を伝える記事がたくさんアップされています。

日本からこの会議に民間からでかけている人のtwitterによると、
日本の政治家は3分間ルールという発言時間の制限についてのルールを無視して結局話もできずに打ち切られている・・といった様子が伝えられています。何のためにお金と時間をかけて出席したのか?
と思いますよね。

さて、
引用した本題は、
このダボス会議の印象をSFのオンラインで
Reto Lippという人の「経済ブログ」で論評しているのでリンクしました。

【たまにはゆっくり読んでからアップ】
いつもは、ななめに読んでは次に進みますが、このブログも3500の記事をストックしたので、
次第に、選別し、要約し、そして、自分の感想なりを加えていければと考えました。

・印刷する
・コピーを拡大する(字が小さいので)
・きちんと読む。ドイツ語の場合は、習慣で音読。家人の協力が要る(うるさい・・といわれないように)
・意味をとれないドイツ語を辞書で確認する

という段取りで
5つの段落の内容を紹介します。キーセンテンスを引用しつつ。

【Lippによるダボス会議の印象】
1 Als Vorbild für die aufstrebenden Staaten fällt der Westen aus.
 ( 西洋は、もはや成長する国家としてのモデルではなくなった。)

 ダボス会議では、中国、インド、ラテンアメリカなどの発言が会議をリードした。

2 Die Zeit der einzigen Supermacht sind vorbei.
(一つの超大国が世界を支配した時代は終わった)

1990年代にソ連が崩壊したあと、「これからはアメリカの世紀であり、紛争は終わった・・」などといっていた時代は過ぎ去った。

3 Jetzt herrschen verschiedene Mächte, eine multipolare Welt ist entstanden.
(いまや、多様な勢力があって、世界は多極化してきた)

4 Die Zukunft liegt nicht im Westen.
 (将来は、西洋にはない)
 
 西洋は、経済力が弱まり、思想性も薄れ、高齢化がさらに進んでくる。このことを知らないのは「裸の王様」つまり西洋自身だけ。

5 ここでは、この論評(段落2)で引用したNiall Fergusonの著作を(悲観的過ぎるとしながらも)改めて評価している。

【スタロビンの翻訳】
新潮社からでているポール・スタロビン『アメリカ帝国の衰亡』(松本薫訳)は、
原題をAFTER AMERICA
といって、アメリカで読まれたらしいが、
アメリカの歴史を順に点検し、中国やインドが台頭してきた現在の国際社会でのアメリカの今後を丹念におっています。

今日紹介したLippの論調もスタロビンと同様な流れだと思いました。

【日本の役割】
「辺境国家」(内田樹)がベストセラーになって、日本社会の閉塞状況が目立っていますが、国際社会でのアメリカの位置と、その同盟国という日本の役割を主体的に考える時代になっています。

*たまたま、隣で、家人が聞いているテレビで岡田外務大臣がクリントン国務長官との会談内容を披露していましたが、しっかりと現状を見極めての発言と感心して聞いていました。

「社会」という点で言うと、
アメリカには公的な健康保険制度もなく
高齢者の介護問題にいたっては日本が(国として)学ぶものはないと思います。(反面教師)
by jpflege | 2010-01-31 10:41 | 509 economy
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