印南一路「社会的入院」を少しずつ読んでいます。
今日は、(
その4)です。
カテゴリ813 をクリックすると、「社会的入院」のバックナンバーがでてきます。
その1 は、この本の紹介
その2 は、「社会的入院」は、戦後における日本の社会政策が生み出してきたもの
その3 は、介護保険は社会的入院の是正を制度導入のねらいの1つとしている
ということを結論的に紹介してきました。
今日、(その4)では、
・厚生労働省の定義と
・著者の印南氏の定義
です。
厚生労働省の定義は、期間でとられて「6ヶ月以上の長期入院」を社会的入院としています。
*どこにも厳密な定義はないのですが、印南氏は、厚生労働省の通知などをあげて説明しています。
この定義の特色は、医学的な判断をしていないことです。
先行研究でも「社会的入院」は、さまざまに定義されますが、
印南氏は、
「社会的入院=
不適切な入退院」としています。(本書、p.13)
これを4つの内容に分けています。
1 医療の不適切(医療の必要がない)
2 入院期間を定義とはしない
3 介護を主たる理由として とか介護施設の不足 などを社会的入院の理由として限定しない
4 ストックとしての社会的入院継続のほかに、フローとしての社会的新規入院を加える
医療が適切か否かは難しい問題なので、別途(第2章)で考察される。
著者は、既存の問題把握にとらわれないで、現場で実務家にインタビューして、以下の5つの類型を提示している。
1 社会的入院継続
2 社会的新規入院
3 不適切な転院
4 未完退院
5 社会的再入院
この5つの概念の関係、事例などについては、次回(その5)に譲ります。
*実際の社会的入院は、5つの基本要素が組み合わさっている。→「複合的な社会的入院」
その5 社会的入院の類型
その6 高齢者医療・介護との関係
その7 高齢者以外の社会的入院(精神疾患患者、難病患者・・)