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P7802 第12講

社会福祉士国家試験模擬問題

問題1 以下の選択肢のうち正しいものを1つ選びなさい。

1 福祉三法とは、社会福祉法、児童福祉法、身体障害者福祉法である。

2 老人医療の無料化は、1973年の老人福祉法改正によって行われた。

3 高齢社会福祉ビジョン(1994年)では、社会保障費全体に占める福祉・医療・年金のそれぞれの割合を、5:3:2とするよう提言した。

4 ゴールドプラン(「高齢者保健福祉推進十カ年計画」)は、1999年に策定された。

5 ノーマライゼーションとは、国が社会保障その他の公共政策によって国民に保障する最低生活水準をいう。

【正解】2

【コメント】
1 「福祉三法」とは、戦後最初に制定された社会福祉法制を指しています。
「社会福祉法」は、2000年(平成12年)の制定。旧法「社会福祉事業法」。

2 老人福祉法は、1963年(昭和38年)制定された。1973年に、この法律の中で「老人医療の無料化」が行われた。

3 「高齢社会福祉ビジョン」(1994年)は、社会保障費の費目別の割合目標を定めた。
当時、「年金・医療・福祉」の割合が、「5:4:1」だったのを「5:3:2」とする目標だった。(現在、この通りになっている)

4 ゴールドプラン(「高齢者保健福祉推進十カ年計画」)は、1989年に策定され、その後の高齢者施設の増加の基盤を作った。

5 「ノーマライゼーション」とは、「ノーマル」(普通)に過ごすことを目標とするということで、障害者福祉の分野で国際的に使われている言葉。ここに書かれてあるのは、「ナショナル・ミニマム」の説明ですね。


問題2 以下の選択肢のうち正しいものを1つ選びなさい。

1 石井十次は、岡山孤児院を設立した。

2 厚生労働省の前身にあたる厚生省は、1919年創設された。

3 アメリカでは、ニューディールの一環として、1938年に社会保障法を制定した。

4 イギリスの『社会保険と関連サービス』の報告は、1941年ビバレッジによってまとめられた。

5 介護保険法は、1997年から施行された。

【正解】1

【コメント】

1 石井十次は、キリスト教慈善事業家で、日本で最初の孤児院を岡山に作った。

2 政策の展開を行政組織の歴史からたどることができる。現在の厚生労働省ができたのは、1938年(昭和13年)で、その直後、1941年(昭和16年)に、太平洋戦争が始まった。
1919年は、内務省に社会局ができた。

3 アメリカは、大恐慌(1929年)のあとに大統領になったフランクリン・ルーズベルトによって、「ニューディール」政策の一環として、1935年、社会保障法を作った。
1938年は、ニュージーランドに社会保障法が制定された年である。

4 イギリスのビバリッジ報告は、1941年に設置された委員会によって、1942年にまとめられた。

5 介護保険法は、1997年に制定されて、2000年から施行された。


問題3 イギリスの社会福祉・社会保障に関して、正しいものを1つ選びなさい。
1 イギリスにおけるソーシャルポリシー(社会政策)は、所得保障及び医療保障から構成されている。

2 イギリス救貧法(1601年)では、労働能力のない貧民のうち親族による扶養を受けられない者に対して救済策が設けられたが、労働能力のある貧民については対象外とされた。

3 チャールズ・ブースの『ロンドン民衆の生活と労働』における分析では、ロンドンの民衆が貧困となった原因で1番目に多いのは環境の問題であった。

4 19世紀、べヴァリッジは、報告書『社会保険と関連サービス』をまとめ、任意保険の余地も残しつつ、公的な所得保障制度の確立が必要であると主張した。

5 アンソニー・ギデンズは、社会民主主義的な福祉国家でもなく、サッチャリズムに代表される市場原理主義でもない「第三の道」という考え方を提唱した。

【正解】5

【コメント】
1 イギリスにおけるソーシャルポリシー(社会政策)は、所得保障、医療保障、福祉サービス、教育保障、住宅政策、雇用政策など広い範囲を対象としている。

2 イギリス救貧法(1601年)では、労働能力のない貧民のうち親族による扶養を受けられない者への救済、労働能力のある貧民についての救済、児童の援護の3つを柱としていた。

3 チャールズ・ブースの『ロンドン民衆の生活と労働』における分析では、ロンドンの民衆が貧困となった原因で1番目に多いのは雇用問題、2番目が生活環境の問題であった。

4 べヴァリッジがまとめた報告書『社会保険と関連サービス』は、1942年である。その骨子は、任意保険の余地も残しつつ、公的な所得保障制度の確立が必要であると主張した。

5 アンソニー・ギデンズは、社会民主主義的な福祉国家でもなく、サッチャリズムに代表される市場原理主義でもない「第三の道」という考え方を提唱して、イギリスのブレア政権のあり方に影響を与えた。

問題4 20世紀前半における福祉制度の発達過程に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 スウェーデンでは自由民主党政権が誕生(1920年)し、同政権によって同国の自由主義的福祉政策の基本的な枠組みが形成されて福祉国家の基礎となった。

2 アメリカではニューディールの一環として、公的扶助、失業保険、医療保険、福祉サービスの4本柱を内容とする社会保障法(1935年)が制定された。

3 ドイツでは第二次世界大戦後の基本法において、すべての国民に「人間としての尊厳を有する生活」を保障する生存権が確定した。

4 日本では1938年に厚生省が設置され、また、私設社会事業への届出義務、改善命令、監督・指示、寄付金募集、補助等を定めた社会事業法が制定されている。

5 日本では工場労働者の最低就業年齢や最長労働時間など労働者の保護を定めた工場法が、第二次世界大戦後に初めて制定された。

【正解】4

【コメント】
1 スウェーデンでは社会民主党政権が誕生(1920年)し、同政権によって同国の社会民主主義的福祉政策の基本的な枠組みが形成されて福祉国家の基礎となった。

2 アメリカではニューディールの一環として、公的扶助、失業保険、福祉サービスを内容とする社会保障法(1935年)が制定されたが、医療保障は医師会と保険業界の反対で実現しなかった。

3 日本の憲法25条のもとになった「人間としての尊厳を有する生活」を保障する生存権という思想は、ドイツの第1次世界大戦後に制定されたワイマール憲法にその根源がある。

4 日本では1938年に厚生省が設置され、この年、社会事業法や国民健康保険法が制定されている。

5 日本では工場労働者の最低就業年齢や最長労働時間など労働者の保護を定めた工場法が、明治時代末期には制定されている。                    ■
by jpflege | 2011-06-29 03:57 | 001 method
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