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P 7404 素案Ⅲ5 保険者が果たすべき役割

5 地域包拢ケアシステムの構築等に向けて保険者が果たすべき役割

(介護保険事業計画)
○ 従来、介護保険事業計画を策定する際は、主として、当該市町村における高齢者数の伸び等を考慮して将来のサービス量を見込んでいたところである。地域包拢ケアの実現のためには、各地域における介護サービスやこれに付随するサービスのニーズを的確に把握し、介護保険事業計画を策定することが求められる。
○ 今後、保険者(市町村)は、日常生活圏域ごとのニーズ調査に基づき、必要となるサービスごとの見込みを積み上げて、より精緻な事業計画を作成することが求められている。
○ 次期介護保険事業計画を策定する際には、喫緊の課題である認知症について対策の充実を図るため、地域における的確なニーズの把握と対応、サポート体制の整備などについて、地域の実情を踏まえ記載していくこととすべきである。また、医療サービスや高齢者の住まいに関する計画と調和の取れたものとし、在宅医療の推進や高齢者に相応しい住まいの計画的な整備に関する事項等について、地域の実情に応じ記載していくことが求められている。

(地域ニーズに応じた事業者の指定)
○ 24時間対応の定期巡回・随時対応サービスや小規模多機能型居宅介護は、夜間における対応が必要となることや、事業規模がある程度限られていることから、経営基盤が丌安定となるおそれがある。地域に根ざして安定的にサービス提供を行うことを促進する観点から、その普及促進策を積極的に講じる必要がある。
○ このため、市町村の日常生活圏域ごとのニーズ調査に基づき、当該圏域内で必要なサービス量を踏まえた事業者の指定を行う裁量を保険者に付不し、事業者にとっても安定的にサービス提供できる体制を構築するべきである。
○ このような観点に立って、地域密着型サービスについては、市町村が安定的なサービスの提供を確保できるよう、サービスの質の確保など一定の条件を課した上で、申請に基づく指定に代えて、公募を通じた選考により、事業者の指定を行えるよう検討する必要がある。
○ また、都道府県指定の居宅サービス等と市町村指定の地域密着型サービスが、地域でそれぞれ整備され、サービスを提供することとなるため、市町村が希望する場合には、居宅サービス等の指定に際し、都道府県が関係市町村に協議を行うこととし、都道府県は、市町村との協議内容を踏まえて、指定の是非を判断し、市町村の介護保険事業計画の策定・達成に当たり支障があると判断した場合は、指定を拒否できる仕組みを導入することを検討すべきである。
○ なお、現行の施設・居住系サービスの定員設定と指定拒否の仕組み(いわゆる「総量規制」)については、保険者が地域の高齢者のニーズを踏まえて施設・居住系サービスの基盤を一体的かつ計画的に整備するために有効に機能している重要な制度であり、今後も現行制度の規制の内容や対象をそのまま維持する必要がある。

(保険者独自の介護報酬の設定)
○ 平成18年度より、地域密着型サービスについては、介護報酬を減額する仕組みが導入されるとともに、平成19年10月から、厚生労働省の許可を得て報酬を増額できる仕組みが導入されたところである。市町村の独自の取組をさらに推進するため、独自報酬の設定について、一定の範囲内で厚生労働大臣の許可を得ることなく、増額報酬を認めるなど、財源負担に配慮しつつ、保険者の裁量をより拡大することを検討すべきである。

(地域主権)
○ 介護保険制度については、制度創設以来「地方分権の試金石」として市町村自ら保険者となり保険制度を運営するなど地方が主体的な役割を果たしてきた。また、平成22年6月22日に閣議決定された地域主権戦略大綱に基づき、指定都市及び中核市に介護保険事業者の指定権限を移譲することとしている。さらに、今回の改正においても、上述のとおり地域密着型サービスに係る市町村の権限を拡大する方向で検討するよう提言している。地方分権改革推進委員会第一次勧告(平成20年5月28日)において指摘されたすべての介護保険サービスの事業者の指定の市への移譲については、提言を踏まえた見直しの実施状況を踏まえつつ、引き続き検討すべきである。
by jpflege | 2010-11-21 14:27 | 997 2012改正
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