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P 5750 ドイツ世話法に学ぶ(新井誠論文)

わが国における成年後見法の第一人者である新井誠教授の論文を読みました。
*P 5744 で紹介した専門誌です。

わが国の介護福祉のうちでも認知症のケア、一人暮らしとなったときの身の回りの(社会生活の)世話をどうするかはもっとも大きなテーマです。

介護保険の創設と共にスタートした成年後見制度はいまひとつ発展しない。
その理由を新井先生がドイツ法制との対比で説明されている。

後半部分は、日本における民法解釈を丹念に追い、身上監護の明確な法制化を訴えています。

「介護福祉の話」にもカテゴリとして「成年後見」をつくっていますが、そちらで紹介するのは内容が難しかったので、取り急ぎ、読書メモ程度ですがアップします。

このような論文を読むと、
・本格的な国際比較研究
・法律学からの研究
が重要なことがわかいます。(私は、一応、法学部出身です・・)

   *             *             *            *

以下は、新井誠(筑波大学教授)
「成年後見法体系の構築/ドイツ成年者世話法とわが国の成年後見制度の比較から学ぶもの」(『実践 成年後見』No.33 2010-4 民事法研究会。 pp.4-16)から。

【ドイツ成年者世話法】
制度の利用者がドイツでは多い。
日本 法的後見制度の利用者 12万人
ドイツ 世話制度の利用者  120万人

【世界的な動向】
最近の成年後見法の動向は注目すべきである。
・任意後見への比重が増している。
・各国とも、最近において法改正をしている。

*以下は、法律のタイトル程度ですが・・

イギリス 1986 Enduring Powers of Attorney Act (持続的代理権授与法)
     2005  Mental Capacity Act (意思能力法)

ドイツ 1992 成年者世話法
1999改正
2005 改正 Altersvorsorge-Vollmacht ( 老後にあらかじめ備える代理権) 

国際的な動向 2000 ハーグ国際私法会議 成年者の国際的保護に関する条約
      2006 国際連合 障害者の権利に関する条約(第12条)

フランス 1968年法
     2007年改正

オーストリア 1984 代弁人法  
2006改正

【ドイツ法の特徴】
1 考え方
①法定後見よりも任意後見を重視
②本人の意思の尊重と本人の客観的福祉の調和
③身上監護事項の重視

2 ネットワークの充実
・名誉職世話人 15000人


【ドイツ法から学ぶもの】
1  支援組織の設立
2 成年後見の担い手の拡大
3 身上監護事項を明確に規定(法律の問題)
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by jpflege | 2010-07-15 09:38 | 984 Guardianship
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